近年、ゲームの世界ではeスポーツという分野が知られるようになってきました。
日本ではあまり馴染みのないeスポーツですが、その歴史はいったいどういったものなのでしょうか。
海外での歴史
1972年のイベント
eスポーツとは「エレクトリック・スポーツ」の略であり、TVゲームでの競技、世界大会のことを指します。
最初のeスポーツのイベントと言われるものには、1972年アメリカのスタンフォード大学にて開催された「スペースウォー!」というゲームのものがあります。
もちろん当時はインターネットも整備されていなかったので、現在のeスポーツのゲームのようにインターネット上で対戦するものではありませんでした。
日本でのプロチームの発足
しかしeスポーツの定義において、ゲームの大会であるということと、世界的に知られて大規模な大会が行われるということは、現代においては重要な見方です。
日本ではプロのチームとして、ゲーム「Counter-Strike」のチーム「4dN.PSYMIN」が結成され、その後ゲーム「Alliance of Valiant Arms」ではチーム「DeToNator」が結成されています。
Counter-Strikeは、もともとアメリカの有名なゲーム企業Valveが発売したゲーム「Half-Life」のMODと呼ばれる改造データとして1999年に発表されたものです。
現在ではリメイクされた商品がValveから販売されており、「Counter-Strike: Global Offensive」は2012年に発売され現在でもプレイされている人気のゲームです。
Alliance of Valiant Armsは韓国の企業が開発したゲームで、2008年にサービスを開始した基本プレイ無料のゲームです。
家庭用ハードとパソコン
現在の有名なeスポーツのゲームには、「Dota 2」や「League of Legends」などがありますが、こうしたゲームでは日本人にあまり馴染みのあるゲームではありません。
そうした点から、日本のeスポーツ界はいささか世界的な市場から乖離しています。
というのもこうしたゲームはいずれもパソコン専用のゲームであり、SONYや任天堂の開発するゲームのような家庭用ハードのコンシューマーゲームは別物だからです。
他にも1999年末に発売された「Unreal Tournament」のように、海外では認知度があるけれども日本ではさほどでもないゲームがいくつもあります。
黎明期の大会と通信
小規模の大会
日本でのゲームの大会としては、公的には認知されておらずともゲームセンターの大会はいろいろな店舗で開催されているものです。
顕著なのは格闘ゲームでしょう。
ストリートファイターや鉄拳、バーチャファイターなどのシリーズは日本でも知られています。
また日本のゲーマーにその名を知られている梅原大吾氏は、こうした格闘ゲームのプロゲーマーとして活躍しています。
こうした大会はインターネットを介さないものですが、ゲームセンターの中では長く行われているものでした。
通信
また同時に、ごく小規模の通信型の対戦としては、ゲームボーイでのポケットモンスターの通信対戦も挙げることができます。
現在ではケーブルを介さずとも携帯ゲーム機で通信できるようになり、友人と集まって同じゲームを協力してプレイすることはより容易になっています。
またソーシャルゲームにおける別プレイヤーのキャラクターを自分のチームに迎え、協力してもらう遊び方も、とても広い捉え方ではeスポーツの協力プレイに類似したものと見なすことができるでしょう。
基本的に現在のeスポーツは、大会として大々的に行い、また賞金が発生するものを指すことが多くあります。
規模が小さかったり賞金が発生しなかったりするものでも、eスポーツの歴史を知るのには役立つものだと言えます。
まとめ
○2000年頃から海外ではオンラインの対戦ゲームがプレイされていた。
○日本では家庭用ハードのゲームが強く、そうした海外のゲームの認知度はさほど高くない。
○eスポーツという名前ではなくとも、小規模の大会や通信での対戦・協力は行われていた。
eスポーツという新しい名称につられがちですが、歴史上日本でもその基礎となるようなゲームの技術は以前からあったものです。
その中でも全世界的に知れ渡り、世界大会が行われるゲームが現れるようになり、eスポーツという分野が生まれるに至ったのです。